【注目成分】皮脂と毛穴に効く、今年注目の天然マルチケア成分「フィチン酸」とは?
- Tomohiro Kangori

- 16 時間前
- 読了時間: 3分

穀物由来の“肌バランサー” フィチン酸
〜皮脂・酸化・くすみに働きかける、穏やかで多機能な成分〜
肌の油分バランスが崩れやすいオイリー肌。
皮脂による毛穴の開きや角栓の詰まり、さらには酸化によるくすみや炎症——
こうしたトラブルの背景には、肌内部の酸化ストレスや金属イオンの関与も指摘されています。
本号では、「皮脂抑制」と「抗酸化」をキーワードに再評価が進む成分、フィチン酸(Phytic Acid)について取り上げます。
▍フィチン酸とは?
フィチン酸は、玄米、小麦、大豆、トウモロコシなどの穀類・豆類の種子に多く含まれる天然の有機酸です。
元々は食品成分として研究が進んできた成分ですが、近年はスキンケア分野でもその多機能性に注目が集まっています。

▍皮脂バランスを整える「穏やかな調整剤」
フィチン酸が注目される理由のひとつが、皮脂分泌の調整作用です。
フィチン酸は、亜鉛などの金属イオンに対して高いキレート作用を持つ植物由来成分です。
皮脂分泌に関わる酵素の一つ「5αリダクターゼ」は、亜鉛イオンの存在によって活性が高まりやすく、過剰に働くと皮脂分泌が乱れる原因となります。
フィチン酸は、肌中に過剰に存在する“遊離亜鉛”を穏やかに結合することで、皮脂腺が過剰に刺激されやすい環境をやさしく整えます。
その結果、皮脂を完全に抑え込むのではなく、必要な皮脂は保ちながら、過剰な分泌だけをコントロールするという、肌にとって理想的な皮脂バランスへ導きます。
フィチン酸はこの「抑えすぎない」バランス感が評価されており、穏やかに皮脂分泌をコントロールする点で臨床応用の可能性があります。
▍くすみ・色素沈着へのアプローチ
フィチン酸は、チロシナーゼ活性の抑制する働きがあり、メラニン生成の初期段階に作用し、色素沈着やくすみの改善に寄与すると言われています。
さらに、鉄・銅などの金属イオンを抱え込むキレート作用によりフェントン反応を抑制し、酸化ストレスの連鎖を遮断。
とくに、ニキビ後の炎症性色素沈着(PIH)や、肝斑の悪化因子とされる「金属の関与」を考慮した処方設計において、フィチン酸は有用な構成成分のひとつと位置づけられています。
▍AHAとは異なる“穏やかなピーリング成分”
フィチン酸には角質細胞同士をつなぐカルシウムイオンをキレートすることで、角質の結合をゆるめ、自然に剥がれやすくする働きもあります。
AHAのように“酸で溶かす”のではなく、角質構造そのものは温存し、結合を緩めてターンオーバーを促すタイプのピーリング。つまり不要な角質だけを除去し、必要な角質、肌を守っている成分まで剥がれ落ちることはありません。そのため、刺激が少なく、肌が薄くなるといった心配もなく、敏感肌の方にも使えるピーリング成分といえます。
▍フィチン酸の多面的な作用がもたらす応用の可能性
・皮脂分泌の調整
・メラニン生成の抑制
・酸化ストレスの抑制
・色素沈着予防
・角質代謝の穏やかな促進
こうした多面的なアプローチを一成分で担える点が、フィチン酸の大きな魅力です。
とくに皮脂・毛穴トラブルやくすみに悩む症例では、過剰な刺激を与えることなく、日常的なケアとして継続できる処方設計の一助になると考えられています。
今年のスキンケア戦略に、“穀物由来の機能性成分”を取り入れてみませんか?

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